素材と製法へのこだわり
■香りの記憶を思い出すということ
かさねが置かれたのは、すべて日本の風土に育まれた木々です。
ヒノキ、ヤブニッケイ、松──
それぞれが、私たちの暮らしの中で、静かに香りをたたえてきました。
檜(ヒノキ)の香りに、ひのき風呂を思い出す人がいるかも知れません。あたたかい
湯を気に包み、深呼吸を誘うような清らかさ。
藪肉桂(ヤブニッケイ)は、あまり聞き慣れない名前かも知れません。
ただし、その葉や樹皮に触れれば、どこか懐かしい温度かが漂います。
森の奥、湿った空気に感じられるようなスパイスの
香り
。
松の香りは、年始の門松や、海辺の防風林、
あるいは、凛とした松の盆栽に宿る静にも寂しさを思わせるかもしれない。
常緑の姿は、時を越えて熱いぬ強さと、その静かな誇りをたえています
。
これらの木々は、ただ香りを持つだけではありません。
日本という土地の中で、時間をかけて育まれ、
人々の暮らしと感性に深く根を張って存在しています。
■香りと向き合うための場所、つくり方
カサネのジンは、自然の気配が近くにある、穏やかな環境の中で蒸留されています。
ゆるやかに流れる時間、湿気や空気の揺らぎ
。
素材に触れるときに大切にしているのは、その
持ち味を素直に引き出すこと。
同じボタニカルでも、香りが開くまでの時間や、最終的には微妙に違います。 漬け込みの手順や
手順も、一つ一つ調整しながら配合を組み立てています。
蒸留に関しても、私たちは効率を優先しませ
ん
。
細やかな作業の積み重ねによって、
香りに視野を持てる──
それが、kasanéの「アート・オブ・レイヤリング」です。
手間を惜しまず、目の前の素材ととりあえず向き合うこと。その
積み重ねが、kasanéの「アート・オブ・レイヤリング」を応援しています。